森の色、この時間


森は大型台風と大雨に見舞われました。 


山の斜面は崩れ、あちこちで樹は折れ、 

森は結構な傷を負っています。  

樹々は時に耐えながら強くしなやかに育っても 

自分の立つ地面が崩れてしまう事があります。 


良くも悪くも自然の成り行きです。




2度の台風、大雨を何とか乗り切って、 

生き延びた樹々が綺麗に紅葉しています。 

風が吹き付けたであろう斜面の樹には 

葉が殆んど残っていません。 

次の季節の栄養が足りるか少し心配になりますが  

谷間やら、風の影響の少なかった場所では見事な紅葉で  

1本1本違った持ち味で格別な森の色です。 




いつでもこの美しさには心が躍ってしまいます。  


一人でも、又誰か愛する人が居るならばその誰かと共に

忙しい毎日の中でほっと立ち止まれるような 

地球がくれる魔法の時間のような気がします。 




紅葉は裏寂しさを少し覚える冬前のこの季節に 

ちょっと温かい心づもりをさせてくれます。 


一つの季節が終わるその姿の後ろに 

これから来る時間の流れが小さく隠れていて 

これからを思い起こさせてくれます。


美しい時間はあっと言う間に終わる事も知っているので、 

余計にその時間が大切に感じられてきます。



季節の巡りを感じさせる地球の姿に 

住人は少なからず何かを受け取るのかもしれません。


地球の住人

角野康子

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