不完全なもの


例えばトチノ木の種子があって 

芽を出している時、 

何も障害物がない場所には 

種に刻まれたプログラム通りの 

完全なトチノ木が出来上がります。  



けれど実際に生きていると 

育つ場所には石や先に居た樹々の根があり、 

枝や様々な障害物があります。 

完璧な土地はほとんどありません。


だからトチノ木の子供は 

そこを避けて形を作ります。 

それはきっと 

数々の変更を余儀なくされ 

あるべき所にあるべきモノがない不完全な形。 



地球はそんな不完全なモノの集まりです。 



完全なモノが良く思えたり 

憧れたりするけれど 

完全なモノなどほとんどありません。 

完全完璧でない形にみな到達します。 


完全でない形、 

その不完全な形で完成形。 



完全な形にならないとしても 

そこには完全な時には無い、 

伸びようとする美しさがあります。 


 地球上の生き物は 

その伸びようとする美しさに可能性を感じて 

生まれて来るのかもしれません。


地球の住人

角野康子

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