尊ぶ



森の中を歩いていると 

落ち葉の中に

沢山の芽生えが見られます。 


同じ葉を付けた芽生えが沢山あって 

見上げるとこれが親の樹だ、 

と分かる樹が立っています。 




けれどその芽生えは多くの樹種の場合 

親の樹の下では大きくなれません。  


親の樹を栄養にする事に特化した菌が 

芽生えの上に降って来ます。 

親の樹は抵抗出来る強さがありますが 

新しい芽生えには充分なその力がありません。 

その菌に食べられて命を終える事になります。  


新しい芽生えは 

親の影響を受ける場所では 

生きていくのが困難になります。  



しかし親の樹から遠く離れた他の樹の下では 

自分を食べる事に特化した菌が降って来ないので 

育っていける確率が上がります。 




親の樹の願いは子供の命を守り 

生きていける場所を用意する事です。 


親の樹は種が遠くに運ばれるように 

飛びやすい形にしたり 

動物に運んで貰う為に 

実を美味しくしたり工夫します。 




親の樹の創る種のカタチは  

子供たちの命を脅かさないように 

自分が居る事で痛みを受けないように 

自由にのびのびと 

自分の形を創っていけるようにと 

願いを込めた祈りの形です。 


全ての樹々はそんな祈りの中 

親の樹の愛を受けて 

自分を創っています。 






樹々たちが自由に創った天然の森は 

樹々たちの純粋な想いで出来ています。 



全ての命と魂の、自由を尊ぶ純粋な心が 

永遠の時間を巡っていける森を創っています。   



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