信じること
遥か遠い昔 樹々は動き回らず、
居場所を決めて生きる事を選びました。
大地に太陽の光が降り注ぎ
雨は降り 風が吹き
朝が来て夜が来て
また朝が来て
春が来て夏が来て
秋が来て冬が来て
そしてまた春が来て。
誰が来たか、
何が起こっているか分かるように
樹々は感覚を研ぎ澄ましました。
太陽の方向や日照時間、気温、
湿った空気、葉を揺らす風
虫や鳥が花や枝にとまる気配や
動物たちが近づいてくる匂い
周りの樹々に起こっている事も感じます。
自分に必要な事を起こしながら
自分の身に起きた事に対処しながら
晴れの日も嵐の日も日々そこに生き続けます。
樹々は自分の生まれ落ちた世界に
疑うことなく身を委ねます。
信じる事で
例え動けないとしても
安心して自分を創っていけます。
自分の生き方をずっと続けていけます。
信じる事は力をくれます。
時に自分を見失ってしまっても
自分の見る世界を信じられるならば
きっと前に進んでいけます。
生まれ落ちたこの世界を信じる事で
人生はずっと優しいものになっていきます。
そう、森の樹々たちは教えてくれます。
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