回る

 

虫が樹の葉を食べると、

食べられた樹はその虫の嫌がる物質など、 

生き延びる為に化学物質を出します。 


その匂いで捕食者が居る事を知った近くの樹は 

自分を守る為に自らもその物質を準備します。 



それはまた動物たちに 

虫が居る事を知らせる匂いになり、

樹が出した信号が自然と 

それを食べてくれる動物を呼ぶ事になります。 


虫を食べに来た動物も、 

いずれは命が尽きて 

土に還り樹々の栄養になっていきます。 


樹もいずれ命が尽き果てて 

森の栄養になっていきます。 




それぞれの行動が沢山の循環を生んで

生かし続けられる循環する社会を作っていく。


自分の命を活かす事で 

自然に自分達や森を 

森やその世界を回し続けます。 




生きる為に他の命を食べて自分の命を繋ぐ。

残酷にも思える世界ですが

始まり、生きて、終わる、 

世界を回して時間が流れ続ける為の形。



そしてどんな命も生きる事を許されているので

世界も時間も回り続けています。



地球の住人

角野康子

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