熊が教えてくれた事


森の中で熊に出会うことを

栗の実が落ちた頃から怖がっていました。 



「姿を見たらこちらに駆け寄って来て 

本能を剥き出しにして 

鋭い爪で攻撃してくるであろう熊。」


これは私が勝手に頭に描いた熊です。

見聞きする一部分だけを誇張して

本当の姿以上に想像していたようでした。


熊の本当の姿はきっとこうでしょうか。 



「僕はここで生活をしている。

冬を越すためにご飯を食べないといけない。

普段いる場所だけでは不十分だから 

ちょっと怖いけれど遠くまでご飯を探してみている。

僕は僕の命を生きているだけなのだ。 

怖い時には戦うかもしれないけれど。」


鋭い爪を持っているけれど

人を襲う為に持っている訳ではないのですね。


そう思うと熊を恐れすぎる必要はなくなり

行く事を避けていた谷へ行ってみる事にしました。




熊への対処法は持つけれど

やみくもに恐れる事が無くなり

熊を意識する前の感覚で森を楽しむ事が出来ました。



熊を人間に置き換えても同じ事が言えそうです。


苦手なあの人のあの部分は

自分が勝手に思い込んで問題視しているのかもしれません。



森は色んな事を教えてくれます。


熊の存在は頭の中で必要以上に想像せず

原因を何かのせいにせず

そのままの姿を見る事を教えてくれたようです。


それは自分を越えて行く強さをくれる気がします。

そこに問題など最初から無かったかのように。 


地球の住人

角野康子

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